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茫然自失・・・
って言うのかな?
気がつくと私は、真っ暗な部屋の中にいた。
いつの間に自分の部屋に帰ってきたんだろう。
カーテンも開けず、電気もつけず。ただ、部屋の扉にもたれかかっていた。
好きですって言われた?
何でわたし??
渡された紙には、彼の名前とLINEのID。
やばい。
キャパオーバーだ。
何でわたし?
たいして可愛くもないし。
背も高いし、ガサツだし。
髪も短いし、女扱いされたことなんてほとんどない??
恋愛とか、告白とか、現実にある事は知ってたけど。わたしとは別次元の話だと思ってた。
こんなの、全然リアルじゃない。
やばい。
顔熱い。
わたしは、大きく深呼吸をして、両手で顔を覆った。
どうしよう。
その時、もたれかかっていた扉がガッと開いた。
扉に体重を預けていたわたしは、そのまま廊下に倒れ込み、後頭部をガンっとぶつけた。
「・・・うーわ。
オマエ、何やってんの?」
ハル兄が呆れた顔で立っていた。
わたしは、真っ赤になっているだろう顔をとっさに両手で隠した。
「何でもないっっっ??」
その時、わたしの手から紙がカサリと引き抜かれた。
「何だこれ?」
うっわ。ヤバっ。
わたしは咄嗟にハル兄に掴みかかったが、手を上にあげて回避された。
「返してーっっ!!」
と、叫ぶと同時に、隣の部屋のドアがバンッと開いた。
「うるっせーよ。
何騒いでんの?お前ら。」
カズ兄が怪訝そうにこちらを伺う。
「何でもないっっ!」と、言いながら紙を取り返そうとするけど、ぜんっぜん届かない。
わたしとハル兄がギャーギャー言いながらもみ合ってると、カズ兄が上からスッと紙を引き抜いて、マジマジと見つめた。
「男だな。これ。」
取り返そうとするわたしの頭を片手でした押さえ込んで、ハル兄も紙を覗きこんだ。
「おおっっ??
マジで男の名前だっっ。
何これ?オマエどこから奪い取ってきたの?」
「まあ。
普通に考えるとすると。貰ったんだろうな。」
チャカすハル兄をカズ兄が冷静に切り返す。
「そうかー。
芽衣も男ができる様な歳になったのかあ。」
「えーっっっ??
オマエ、彼氏できたのー?」
2人でやいのやいの言いながら紙を眺める。
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