高遠の過去

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高遠の過去

 同性専門掲示板で何を求めていたのか高遠は思い出せない、地位のある身としては恋人探しで安易にクラブや店で男を探せない、唯一自由にできる会員制のクラブでは綺麗な男達と無味乾燥な交わりを繰り返し、疑似恋愛の様な事で気を紛らわしていた。ある日、真剣に誰かを探すなら意外と例の掲示板がいいと男娼に教えて貰った、何故かというと悩み相談は素人の巣窟だから、手垢の付いていない彼等と仲良くなれる。  『あそこにプロはいませんよ、プロなら込み入った話は適当にあしらう、素人は相談が余りに具体的だから、そんな事ここでしか聞けないでしょ、貴方の様な御方が僕たちと同じ様な者を探すなら、慎重に』  人の記憶という物は脆い、同時に悔いの残る絶対的な場面や人物の事は覚えている。家で酒を飲みながら掲示板という摩訶不思議なサイトを見ると男娼の言う通りに、巧妙な罠が張っていない限り素人の集いだと感じた、質問をする年齢不詳のHNの男に熱心に声を掛ける複数の男達。高遠はこのやり取りに辟易した。  「馬鹿らしい」
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