決戦の土曜日

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直樹サンに怒られるのが面白くて、その後、何度か痴女プレイを仕掛けてみたけれども、痴漢プレイには転じてくれなくて残念! 襲われる方が圧倒的に好みなのに! 遊んでいたら、あっという間に目的の駅に到着してしまった。 勝手知ったる三河の駅なわけで、そのままドーナツ屋さんへ向かい、私も直樹サンもドーナツを二つとコーヒーをチョイス。 「えっ? ご馳走してくれるの!?」 「なんで驚くんだよ、普通だろ」 「えぇー……だって、付き合わせてるのって私の方だからお礼にご馳走しようと思ってたんだけど?」 困ったヤツを見るように見られて、耳元で 「後から碧ちゃんを食べるからいい」 などと卑猥なことを言われて、興奮したけど 「また小説の言葉をパクったな!」 気が付いたよ、それ、私がおススメした小説の中のセリフじゃないか! 「コイツをときめかせるってどうすればいいんだ! この鈍感娘め」 ブツブツと何かを呟く直樹サンは本日も平常運転の様子で、軽くスルーして先に空いてる席に向かったのは言うまでもない。 メグちゃん&江口君との約束の時間よりもニ十分ぐらい早いなと、腕時計を眺めて思った。 壁際に私が座って、直樹サンは正面の椅子に。 四人掛けできるテーブルに座ったから、メグちゃんと江口君が来ても大丈夫だけど、私と直樹サンが対面で座っていたら江口君とメグちゃんはどうやって座るんだろう。 オーソドックスに直樹サンが私の方に来るとか、私が直樹サンの隣に座れば問題ないけど、ここはあの江口君とその思い人のメグちゃんなのだから、もっと面白いことをして欲しい。 私の隣に江口君が、直樹サンの隣にメグちゃんが座るとか。 いやいや、いっそ、江口君の膝の上にメグちゃん。 違う違う、直樹サンの膝の上にメグちゃんが一番面白い! 「なに考えてニヤニヤしてるんだよ」 「ん? 今後の展開だよ」 「碧ちゃんが俺との今後の展開を考えてニヤニヤする日が来るなんてなぁ」 嬉しそうに目じりを下げた直樹サンに勘違いしてますよって言えない雰囲気だから、このまま勘違いしていてもらおう。 「メグちゃん、胸の谷間があるらしいよ。見たいなって思ってさぁ」 「俺は碧ちゃんの胸の方が」 「直樹サンもメグちゃんの胸の谷間を見たいでしょ? 遠慮せずに見ていいからね!!!」 「……またこのパターン……」 さっきまでのご機嫌な様子がどこかにいったもようである。
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