決戦の土曜日

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最近、趣味にばかりかまけている……。 最近に始まったことじゃないか☆ でも、一人で没頭するのも楽しいけれども、新藤さんしかり、江口君しかり、誰かと一緒に楽しめるというのもステキなわけで…… 相手が湯沢っち直樹氏でもそれは一緒のようですな。 鼻歌でも歌いだしそうな様子でらめぇーーーーーーーーっ!!! な小説を物色している直樹サンは、ぱっと見、普通の感じである。 「絶倫じゃない主人公のってあんの?」 ぱっと見、普通だったとしても発言は変態じみている。 「乙女の夢が詰まったらめぇーーーーーーーーっ!!! な小説や漫画で主人公が絶倫じゃないっていうレアケースを求める気持ちが分からない! 早漏とか遅漏とかよりも有り得ない!」 「おい、デカい声で早漏とか遅漏なんて言うなよ、興奮するだろ!」 そっちか! 慎みを持てとか言われるのかと思ったら! 「変態だね!」 「碧ちゃんほどじゃない」 「……私は変態の男性が好きなのに……」 「まかせておけ! 碧ちゃんをヒーヒー言わせるくらいの変態になってやるからな☆」 単純だ、直樹サン。 「ヒーヒーよりもアンアン言いたいんだけどね」 「分かった分かった。アンアンだな」 恥ずかしいから言わないと思うよ、現実的なところ。 温い目で直樹サンを見ていたら、真剣な表情で小説の裏表紙のあらすじを読んで物色している。 そこにアンアン言えるような内容かどうかなんて書いてないと思うけど……。 まぁ、いいか。 こういうのを全否定されるよりも一緒に楽しんでくれる方が嬉しいし。 最近、私よりも直樹サンの方がどっぷり嵌ってると思うんだよね。 直樹サンが買った本を借りパクすれば、節約になる☆ 「こっちとこっち、どっちがいいと思う?」 見せられたらめぇーーーーーーーーっ!!! な小説の表紙はどちらも男性が買うようには決して見えないキラキラした感じ。 ドレスを着た可愛い女の子ちゃん☆ 三十過ぎの殿方が堂々とレジに持って行くって……私がいないときに一人で買う姿をこっそり覗き見したい。 「両方とも買えばいいじゃん。あるときに買っておかないと二度とお目にかかれないかもしれないよ☆」 「だな! この前の『どす恋』とかな」 まだ言ってるのか、それ! きっと、面白くないと思うよ、それ。 間違ってもエロいやつじゃないと思うよ、題名からして。 らめぇーーーーーーーーっ!!! でもないだろうな。
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