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直樹サンは、らめぇーーーーーーーーっ!!!
な小説を二冊お買い上げ。
私は何も買わずにサンクチュアリを出た。
「買い物もしたし、デートっぽいことって言ったら、このままブラブラするか」
ご機嫌な様子の直樹サンに逆らうつもりは毛頭ない。
今日は、私のために付き合ってもらったという気持ちがあるからである。
このクソ暑いのにブラブラなんて嫌だとか、絶対に言わない。
「ブラブラって言っても、どこへ?」
名古屋の街中だったら、ただ歩いていてもお店がたくさんあって楽しい人には楽しいだろうけれども、ここは三河の地方都市。
「せっかくだし、ブラブラ歩いてあっちの公園の方に行って城でも見て帰ってくるのもいいだろ」
城ですか……。
「大丈夫大丈夫、疲れたら城の近くの休憩スポットで休憩もできるし」
そんな休憩スポットってあったっけ?
軽く疑問に思いつつも、今日は付き合ってくれてありがとうという気持ちで素直に頷いておいた。
お城まで行くのか。
ちょっと距離があるけど、スニーカーで良かった。
並んで歩きながら、帽子があったら良かったなとか日傘があったら良かったなと思った。
言わないけど……。
「碧ちゃん、江口君って本当に変態っつーかバカだな」
「そうだね、清々しいほどのバカっぷりを発揮してくれて楽しい人だよね」
「さっきの、アレは笑ったな。車屋に行って、カーセッ●スにおススメの車をくださいって店員に言ったってやつ」
楽しそうな直樹サンの顔。
そして、私はその話をメグちゃんの胸の谷間からのらめぇーーーーーーーーっ!!! な妄想に使ってしまって聞いていなかったらしい、残念!
「ちゃんと聞いてなかった。そんなこと言ってったけ?」
はい、直樹サンから白い目を頂きました!
「店員の方が江口君の上をいく変態だったって話だろ。普通にカーセッ●スに適した車を勧めてきただけじゃなくて、おススメスポットまで教えてくれた挙句、その場所まで行く間は玩具で彼女をイジメて痴態を楽しむのがツウだとかって言われたってやつ」
どんだけ変態なんだよ!
車屋の店員!
タイプだよ!
「興奮し過ぎて事故らないでくださいねってイイ笑顔で言われたとかって」
類は友を呼びますな!
変態の江口君には変態の店員さん!
どこの店だよ!
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