決戦の土曜日 part2

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テーブルの上には、私の好物のナスの味噌炒めの他に豆腐とワカメの味噌汁、ごはんが並んだ。 「食材があんまりなかったから、こんなんだけど」 十分です!!! 「直樹サンと一緒に食べられるなら、白飯だけでもご馳走だよって言ってくれたら嬉しいんだけど?」 「えー、言わない」 「ちっ、聞いてたか。否定するときばかり聞いてやがって」 それでは、安定のスルーを決め込んで勝手に両手をパチン! 「いただきます☆」 「……召し上がれ……っていうか、私を召し」 「あーっ! 美味し―!」 いただきますの挨拶をした後、速攻でナスの味噌炒めに箸を伸ばした。 地元の名産品の赤味噌に砂糖と酒を加えて味つけたナスはそれだけで絶品! 「ちっ、わざとなのか、コイツ……私を召し上がれって言ってくれって頼もうと思ったら……」 「ん? なんか言った?」 「……美味しそうに食べてくれてありがとうって言った」 「どういたしまして! いっぱい食べるねっ!」 独身生活の長さなのか、直樹サンの料理が普通に美味しくて驚く。 この前も冷やし中華を作ってもらったし。 このままでは胃袋を掴まれてしまう……。 それにしても、甘味噌旨いっ! 腹ペコ碧虫の私がガツガツと夕飯を平らげている間、涼しい顔をした直樹サンもサクサクと夕飯を食しておられた。 なんていうか、育ちの良さそうな雰囲気を醸しているっていうか、薄い顔立ちだよね、この人。 醤油かソースで言うなら醤油だけど、醤油か出汁で言えば圧倒的に出汁顔。 清潔感もあるし、私にとっては憎き天敵として君臨していたからそれなりに存在感を放っていたけど、普段、会社で忘れさられた存在になってそー。 あぁ、だからモテない君なのか! 性格が悪いわけじゃ……いや、天敵だからそれなりに強烈な性格だよねー。 「おい、碧ちゃん、心の声がダダ漏れ」 「ヒィーーーーーーーーーッ! 淡白な出汁顔だから夜の生活は期待できなさそうなんて言ってないアルネ!」 「そんなこと思ってたのかよっ!!!」 「ヒィーーーーーーーーーッ!」 「……確かに絶倫は無理だと思うけど……」 「アチャー! 元気ダスアルよ! 薬局にイイおクスリ売ってるアルよ! ドーピングネッ!!!」 「そこは回数じゃないって言えよ!」 「大は小を兼ねるアルよ☆」 「サイズかよ! 普通サイズだよ!」 「アチャー」 「……」
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