私の天敵のこの人は……

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若い男の人、推定サラリーマンがさっきの男の人目掛けて走って来た。 「ちょっと待ったーーーーー!!!」 なんか、テレビ番組でこういうの、見たことある。 もう、笑うというか、呆然とするしかない。 「山岸さん、なにを抜け駆けしてるんですか!!! 碧さんは渡しませんっ!!!」 やっぱ、そういう流れなんだ……。 「……ウッシー、凄い大人気なんだな。びっくり! 魔性の女なの? 小松さん、すみませんが、このお見合いはなかったことに……こんなモテ女子と小松さんは釣り合いませんよね。彼氏がいないというところまでは確認したんですけど……まさかウッシーに彼氏候補がこんなにたくさんいるとは思ってもなくて」 ……課長、胸元から紙を取り出して読むの、やめましょうよ。 それ、台本だよね。 山岸さんとやらも、それ、さっき取り出して読んでましたよね? 「さすが碧ちゃんっ!!! こんなにモテるなんて全然知らなかった! どこで出会ったの? あっ、どうせならみんなでご飯を食べましょうよ☆」 なに、この茶番……。 「勇気、お前みたいな若造に碧ちゃんはやれんっ!!!」 「碧さんは年下ワンコ系が好きかもしれないじゃないですか! そしたら山岸さんよりも僕の方が可能性ありますからねっ!」 いつまで続けるの、この茶番……。 カオスだよ、カオス。 この人たち、いったい誰なのーーーーーーー!?
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