私の天敵のこの人は……

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山岸さんに風圧をかけられる変顔の牛田碧の図が展開された場所は、赤電車の改札付近。 「よぉっ!!!」 やけに親し気な声が聞こえたと思ったら。 山岸さんの後ろあたりから、ひょっこりと天敵が現れた。 「げっ」 心の声が口から漏れてしまった。 そして、天敵に睨まれた。 そして、天敵の湯沢っちが私の横に並んで山岸さんと対面している。 いや、勇気君と酒井夫婦もなんだなんだとこちらを見ているのだけれども……。 「いつも、うちの碧がお世話になってます」 「湯沢っち! 誤解を招くような挨拶するの、やめてよっ!」 「えー? かなり近しい仲だろ?」 「住んでるトコが近いだけじゃんっ!」 「っつーわけで、二分後の急行に乗るんで、皆さん、失礼します!!! ほら、行くぞっ!」 腕を掴まれ、強制連行。 「お疲れ様ですっ!!!」 ひとまず、挨拶だけはと思って、面白みに欠ける社会人の挨拶をしたけれども、酒井夫婦は面白そうな顔で笑っていた。 あー、なんか誤解してそー……。
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