私の憧れのあの人は……

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私と新藤さんがテーブルの上で手を握り合って、広報課の進むべき方向(汚超腐人)を確かめ合っていたら 「おい、バカタレ達、酔っ払ってるのか」 どこかで知った声が、遥か上方から降って来た。 握り合っていた私と新藤さんの手をさりげなくではなく、引きはがしてしまう。 「なっ! なっ! なんでここがバレたんだろ、さては伊賀忍者の末裔だから忍法探知の術を使ったか!? ニンニン!!!」 両手をそれっぽく胸の前で重ねて人差し指を突き上げている姿とセリフに噴きそうになった。 新藤さん、面白すぎて藁とか草とか言いたいです。 可愛いです。 「ちげーよ、伊賀忍者の末裔じゃないって何度言ったら分かるんだよ、ったく。前に電話しても出なかったときに、お前のスマホにGPS入れただろ。なんのためにガラケーからスマホにさせられたか、忘れたのか? みゅーちゃん?」 うわー、会社じゃ見られない甘い顔の酒井課長が新藤さんの両頬を両手で挟んで強制的に目線を合わせて見つめ合わせてる! 忍法強制ラブビームの術、ニンニン!!! ……会社の同僚、いますよー! 酒井課長の直接の部下じゃないけど、牛田がここにいますよー! 目を泳がす新藤さんと目が合って、咄嗟に目を逸らした私は絶対に悪くない! 「みゅーちゃん、俺よりもウッシーの方がいいのかな?」 ウッシーって……、牛田です。 ウッシーって、微妙です。 酔っ払った勢いで、引っ越し屋さんになって踊りだしたいぐらい、微妙です、酒井課長なだけにね? あ、あのCMって全国区じゃなかったかな……。 ウィンナーのCMほど、東海地区限定っぽくなかったはずだけど。 「グハッ! 碧ちゃんと課長を比べるなんて無理無理無理無理無理無理!!!」 新藤さんが酒井課長の両手に自分の両手を添えて、頬からバシっと勢いよく酒井課長の手を剥がす。 「プライベートで課長って言ったな? 今晩は、激し目のお仕置き決定♪」 嬉しそうにやらしそうに笑う酒井課長の色気に危うく私がノックアウトするところだった。 激し目のお仕置き、いいね! そんな相手が私も欲しいよ! 課長、らめぇ~って言ってくださいね、新藤さん☆ 私のアイコンタクトにプルプルと首を横に振った新藤さんに、今夜のお仕置きの内容を是非とも近々教えて下さいねとさらなるアイコンタクトを送っておいた。
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