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僕はいつもと同じように二番目に食べ終えていて、早食いの僕がびっくりするほど食べるのが早いたぶん僕より年長の難波さんがやっぱり先に食べ終わっていて、妹尾さんと大森さんはなにやら話をしている。
最初に食べ終わった難波さんが食堂を最初に出て行って、そして僕と中嶋さんの会話もちょっと切れたので、二番目に食べ終わった僕は二番目に食堂を出ることにした。
会話の最中の中座の仕方は、僕はもうだいぶ習得したように思う。
僕は特に中嶋さんに目くばせすることもなくゆっくり立ち上がり、いつものように横向きのお盆を縦にしてからそれを持ち上げ、コップを右手にとって返却カウンターに向かった。
食器を片づけ廊下を右に出て、また曲がって昼の節電でうす暗くなった廊下の奥の方に歩いて行って、その一番奥にある自分の部屋に入ろうとすると、今通り過ぎた社長室に社長が入ろうとしていたので、僕は思わず少し慌てて声をかけた。
社長さっきの話なんですけど。
ウンと返事をして社長は興味ありの顔で僕の方を見ながら近寄ってきた。
宿泊はどちらなんですか?
銀座銀座。
あ、銀座なんですね。
そうそう。
これ、天気次第だし、この時期ちょっと寒いかもしれないんですけど、屋形船なんてどうかなと。ちょっと思ったんですけど。
屋形船はね、一度乗ったんですよ。
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