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「胸、貸しましょうか?」 「え、なんで?私、泣いてる?」 「早く、忘れられるようにです」 自分で言いながら照れたのか、ケイタの顔が見る見るうちに赤くなっていく。 あんなに合っていた目がそらされ、思わず笑ってしまう。 フラフラっと立ち上がると、赤い顔のケイタの胸に飛び込む。 そんな私をゆっくり、しっかり、抱きしめるケイタ。 重なり合う心音に自然と笑みがこぼれる。 「何ですか?突然笑い出して」 「んー?幸せだなって、思ったの」 ココから私はスタートする。 ケイタと共に―。
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