ずっと「愛してる」だった

7-2

自然と視線が床に落ちていく。

どうしたらいいのか困ってしまい、不自然に目をそらしてしまう。自分から飛び込む勇気がない。
そんな私の気持ちを察したのか、ケイタはため息をつくと、自ら私のそばへ寄ってきてくれた。

ケイタの得意技は私を甘えさせることだ。
強がる必要がないと教えてくれる。
ケイタの温もりと優しさが涙の量を増やした。

人に優しくされたり、優しい言葉をかけられたりすると、一瞬にして目の前がぼやける。
涙が流れるところまでいけないのは、自動的に我慢してしまうから。
けれど、それを解禁した時に感じる人の温もりは、反則を犯してしまうほど、怖ろしく温かい。
そして、簡単に涙を流させてしまう。

嗚咽をあげながら、ケイタの胸で泣きじゃくった。

おかげで眠れなくなるはずだったこの夜は泣き疲れ、いつのまにか眠りに落ちていた。
小さい子をあやすように、背中をさすってくれていたケイタの温もりを感じながら―。