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大学の友達と遊んで別れた午後八時。 まだこんな時間だというのに、隣には誰もいない。 ご飯さえ誰も一緒に食べてくれない。 私には当然の仕打ちで、一人で自分が働くカフェへ向かった。 大学へは寝に行ってるようなものだ。 友達付き合いは上辺だけ上手くいっている。 お昼を一緒に食べたり、放課後遊びに行く友達くらいはいるけれど、周りも私も本音が言えないだけで、一線引いている。 自分が腹を割って話してないのに、相手にそれを求めるのは筋違いだ。 多少寂しさはあるものの、私は今のところ上辺だけの関係で良い。 深く立ち入ると、危険だ。 サクのことだけを中心にしたいのに、そうはいかなくなるから。 基本、私はのめり込みやすい。それは異性だろうが、同性だろうが。 今日は店にサクがいる。 そう思うだけで、沈んでいた気持ちが一気に高まる。 余計なことは考えたくない。 ただ、それだけ。
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