第1章 突然の再会は恨みと憎しみを含んでいた

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第1章 突然の再会は恨みと憎しみを含んでいた

寒蝉(つくつくぼうし)が通学路で、これでもかと言うくらいの大音量で鳴いている。その鳴き声は夏の終わりが近づいていることを示しているだろうに、相変わらず強い日差しが僕を照りつけていた。 -まあ、毎年こんなもんか。 何だかんだ昨年もこんな暑さを嘆いていた気がした。結局は蝉の声が変わろうとも、季節が変わるわけではないのだ。 僕は額に流れる汗を拭って、学校へ向かった。 今日は9月1日。新しい学期の始まりだ。とはいえ、4月のように新しい学年でクラス分けがあるわけでは勿論なければ、物珍しいものも何1つない。ただ見慣れた面子で授業を受ける日々に戻るだけだ。 -始業式、サボりたい。 僕はそんな強い欲望に駈られた。 狭くて空調設備も調っていない体育館で全校生徒がすし詰め状態になり、長い話を聞くのだ。暑苦しいにも程がある。 だがそれでも僕は、学校を休むわけにはいかなかった。僕には何が何でも今日学校に行って、あることを確かめねばならなかった。 「…よしっ」 僕は小声で気合いを入れて、学校までの道を急いだ。
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