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もう遠慮もなく笑う俺に、じいちゃんは僅かに眉をつり上げたが、俺は気にすることもなく、姿勢も、正座を崩して胡座を掻く。
「んなの誰にでもあんじゃん。って言うか勇者って何。世界を救ったとか?ドラクエじゃあるまいし。」
「あのゲームは俺の曾祖父さんのあっちの世界での活躍の話を聞いた奴が、曾祖父さんの活躍を称えるために体験談を元に作ったゲームだ。
ドラクエに限らず、他の勇者が出てくるRPGはほとんど、俺の曾祖父さんがモデルになってる。」
俺がまた腹を抱えて笑うと、「それにな、」とじいちゃんは続けた。
「泣きボクロは確かに珍しくない。だけど俺にはわかる。お前のそれは確かに勇者の末裔の印だ。」
じいちゃんはいつになく頑なだった。馬鹿にして笑う俺に面と向かって真面目な顔で、俺が勇者の末裔だと譲らなかった。
「だから何で泣きボクロなの。」
俺はもう訳が分からず笑いすら起こらなくなっていた。やっぱ頭打ったのが悪かったんじゃないのかと俺はじいちゃんのたんこぶを暫しじっと見つめていた。
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