プロローグ

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「できればそうしたいんだけどよ、そしたらここまでの苦労が無駄になるってことだろ?」 『その考えを肯定』 「くそ....っ」  一か八か、素手での殴りこみに賭けてみるか。目の前に置かれたパソコンのディスプレイには89%と表示されている。  いや、ここは。 「ここで待機する」 『了解、扉の破壊まで残り10秒』  パソコンのディスプレイと、ゴーグルに表示されたカウントダウンを同時に眺めながら生唾を?み込む。自然とひたいから汗がこぼれ出て地面をパタパタと濡らしてゆく。  残り5%ほどの小さな隙間が埋め尽くされていない進行バーの表示が酷くもどかしい。 『カウントダウン開始、残り5、4、3、2、1』  次の瞬間、扉を支えていた金具が弾け飛び目の前で大きな破片となって大きな音を立てて転がる。同時に、大勢のアンドロイドがこちらに目掛けて飛び込んでくる。  そして、また同時にパソコンディスプレイには100%に満たされた進行バーの下に『RESTART?』という表示が入った。  今まさにエンターキーを押そうとする手にアンドロイドの腕が迫る。     
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