プロローグ

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 未来人が世界中の人間を支配して23年。生きる権利すら与えられず、ただ隠れていずれ訪れる未来に怯えながら暮らす意味。果たして、それは人としての生き方なのか、彼らの言う人類の幸福と継続される社会というのは生み出されるのだろうか。  否。  レジスタンス部隊に入った理由。それは、  全人類の自由な幸福を勝ち取るため。 「っはぁ......死ぬかと思った....」 『全システムの停止を確認。施設内全てのアンドロイドの停止を確認、旧人類の牢獄の解放を確認。監視カメラシステムに侵入、侵入完了。映像からレジスタンス部隊が救助に向かっているのを確認』  ゴーグルの端を見れば、映し出された小さい映像に見慣れたレジスタンス部隊の人間たちが箱舟に侵入して旧人類を解放しているのが見える。そしてその中の一人が監視カメラに向けて親指を突き立てているのが見えた。  軽く息を吐き、ゴーグルを外す。自由になった視界でふと横を見ればビデオの一時停止のようにあと一歩のところでこちらに腕を伸ばしながら止まっているアンドロイドの集団が沢山いた。パソコンをしまって立ち上がり、アンドロイドの頭の部分を軽く指で小突くと何の抵抗もなく地面へと倒れる。 『任務完了を確認、お疲れ様。リュウイチ』 「この調子でColdplayつながりのParadise行っとくか、掛けてくれるか?」 『了解』 「何だ、今日はやけに素直じゃん」     
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