0人が本棚に入れています
本棚に追加
『「言語表現には物質的要素を含む」ゼロも少し「柔らかく」なってみた?』
「わかってるじゃん」
塔の中に響くParadiseの曲。
廊下の途中で停止しているアンドロイドを軽いステップを踏みながら指先で倒してゆく。そして、エレベーター前に転がっているアンドロイドの残骸の中から比較的女性型で綺麗なアンドロイドを肩に抱えてエレベータに乗り込む。
『それは?』
「前に自分のAIを入れるための体が欲しいって言ってたろ? こいつはプレゼントだ」
『....ありがとう』
「どういたしましてッと」
エレベータは何の操作もしていないの動き出す。完全にシステムを掌握されたとうは既に旧人類の支配下にある。エレベーターはそのまま下の階へと降りてゆく。そんな中、とてもよく響くParadiseの曲に合わせて自然と歌詞を口ずさむ。
『だからこんな嵐のような空の下で横たわるんだ
彼女は言った
太陽はきっと登ってくることを知ってるって
ここが楽園になるんだ
楽園になるんだ』
エレベーターの扉が開くとそこにはレジスタンス部隊の見慣れた顔がいくつも並んでいた。全員がそれぞれ肩を叩きあい、無事の生還を祝っている。
早くここから出なくてはいけない。
最初のコメントを投稿しよう!