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亀裂の隙間からこぼれ出た黒い物体は、一瞬にして地上に大きな光を落とした。そしてその光とともに鼓膜が破れるほどの爆音があたり一体を包み込んだのだ。人々はパニックになり、車を運転していた人や歩道を歩いていた人間は突然起こった出来事にその場に足を止めた。その時、誰しもが大きな事故を起こすものと考えていただろう。だが、立ち上がる前にそこにいた全ての人々は自分たちの体が動かないように見えない何かで拘束されていることに気づいた。
次の瞬間、聞こえて来たのは『声』だった。それは、人々の頭の中に直接語りかけられているように先ほどの爆音で耳が聞こえないはずだった。だが、こうして聞こえてくるこの声は果たして人のものか、それとも神の御技か混乱していた。
『これより、貴様らを旧人類と呼ぶことにする。どうも、初めまして。我々は旧人類の子孫だ、言い方を変えるのであれば我々は未来人ということになる』
その言葉は、現在同じ状況を起こしている全世界に対応した言語でほぼ全人類に届いていた。日本語から英語、中国語、ポルトガル語、様々な言語でその言葉はほぼ全人類に届いていたのである。
『我々がこうして赴いたのは他でもない。貴様ら旧人類のツケの清算に来たのである。貴様ら旧人類が行なった環境破壊や戦争による影響で我々のいる未来では文明が衰退、未来の地球での環境では人類が普通に生存するには厳しい環境となってしまった。よって、貴様らの時代まで遡り旧人類を管理し、継続した人類の幸福と生存のために旧人類の管理を実行することを、ここに宣言する』
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