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次の瞬間、人々の拘束が外され体の自由がきくようになった。しかし、拘束が外され自由になった身も関わらず、人々は逃げることもなくただ夢遊病者のように立ち上がると、のらりくらりとどこかを目指してゆったりと歩いてゆく。そして、世界各地から人類の姿は見えなくなった。
いつの間にか地上には、この世界の、この時代の建造物とは思えないほどの高い塔のようなものがいたるところで確認されるようになった。後にこの事態を奇跡的に逃れた人々はこの出来事を『最後の審判』と呼んだ。そして、多くに旧人類が収容された塔のような建物を『ノアの方舟』と呼ぶようになった。
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「これが今までの経緯だってことは....」
「へいへい、ようわかってます」
「だったらこのレポートは一体何?」
目の前に突き出された白い紙にはびっしりと何かが書かれている。そこには、今までの作戦でしでかしたあらゆる原因と要因、そして結果が事細かにプリントされていた。そして、それを突き出しているのは、クリスという元アメリカ軍人の女性、高いカリスマ性と教育力でレジスタンス部隊を一から育て上げ、まとめ上げている今年で50になるクリスだ。
「私たちは、未来人からこの世界を取り戻さなくてはいけないの。そのためには死力を尽くしてね。でも、この部隊で一番の戦力であるあなたがこんなことでは示しがつかないわ」
「でも俺が入った作戦は今まで一度も失敗してないだろ?」
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