プロローグ

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『作戦は成功している。方舟内にも防衛システムがあることは想定済み。あなたの考え不足に原因があることを指摘』 「ヘェヘェ、悪うござんした」  ハンドガンのマガジン二つをグリップとバレルから外してポケットにしまいこみ、また新たに装填し直す。二つのマガジンに装填してあるのはプロジェクタイルとレール、もう一つにはバッテリー。従来のハンマーで火薬に着火してと弾丸を発射するタイプのものではない。  いわゆる『小型レールガン』だ。  装填を終えて、後ろを振り向くとそこには胸に数発プロジェクタイルが当たって地面に倒れている。武器は装備していない、だが装備している防具の隙間から見える無機質な肌と、破壊されて胸部から小さく放電が走り配線盤が露出している。明らかに人間ではないことがわかる。 「アンドロイドか、めんどくせぇ....」 『制御装置の侵入を確認。端末の接続を』 「わかった」  侵入した場所は、この『ノアの方舟』の電気系等を制御するための配線などがある一室だ。外部からの侵入を想定しなかったことが未来人側の失敗だったろう。配電盤と思しき装置の外装の鍵をハンドガンで破壊し、中をこじ開け腰から小さなUSBメモリーを取り出す。 『左下の接続を外した後に、端末の接続』 「あいよ」     
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