プロローグ

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 未来人にとって旧人類に対しての攻撃は自殺行為だ。なぜならば、旧人類があってからこその未来人。旧人類を殺せば、どこかのだれかの未来に生まれるはずだった人間を消すことになる。そうならないために、相手が基本使うものはスタンガンなどの非殺傷武器だ。そして、旧人類に対して行う未来人の対応は基本的に捕獲だ、命こそ取られないものの、捕まったら最後。この『ノアの方舟』で一生家畜のように過ごすことになる。 「そいつだけはごめんだっ!」  相手がスタンガンを発砲したのと同時に、ハンドガンを構え廊下に出る。だが、そこにいたのは3体のアンドロイド。情報では2体と聞いていたはずだ。動揺のために一瞬引き金を引くのが遅れ、数発放った後、再び廊下の角で隠れることになる。 「おいっ! 2体って言ったろっ!」 『アンドロイド3体のうち1体は特殊兵装を確認。携帯型武器モデル「エレクトリカ」認識名「雷神」の出力をレベル5に設定することを推奨』 「無視かよっ!」  おそらく先ほどの仕返しだろうが、不毛なやり取りをしている間にも足音が近づいてくる。すかさずハンドガン『雷神』のマガジンの底についているダイヤルを5に設定する。  次の瞬間、廊下にアンドロイド2体が顔を覗かせた。  しかし、そこに人の姿はない。だが、 「こんちわっ!」 『『!!』』  反重力を使い天井に張り付いて頭上からアンドロイドの脳天めがけて1発ずつ打ち込むと頭部を破裂させ半透明のオイルを撒き散らしながら地面に大きな音を立てて倒れる。  そして、もう一体     
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