11 その他、視点

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「連れ帰るにしたって、(ばつ)を与えたいんです。だから、お願いします。もし居場所を見つけたら、僕に教えてくれませんか? 僕がしっかり復讐して、それから話を付けますから」  懇願する少年に対し、男の一人は渋い顔をする。 「しかし、そんな復讐なんて……。それこそ領主様のお仕事だろう?」 「まあ、教えるくらいならいいじゃないか。性悪な嫁をしつけたって、感謝こそされても、文句を言う旦那はいねえだろ」 「はは。違いねえ」  もう一人の言葉に納得して、互いに笑う。 「報告のために、夜にはここで集まってるでしょう? 僕も待っていますから、よろしくお願いします」  少年が男の手に銀貨を握らせて微笑む。 「ああ、分かったよ」 「僕のことは内緒なので、魔法使いには言わないでください」  更に一枚、口止め料を追加すると、男達は口元を緩めた。農民である彼らにとって、銀貨一枚でも冬を越すのがかなり楽になる。約束をして、口を閉ざせば、それが二枚だ。二人で一枚ずつ分け合える。 「分かった」 「ご領主様のために、秘密を守る」  少年はちらつかせていた銀貨を渡して会釈をすると、酒場を出て行った。すれ違いで、魔法使いが部下とともに入ってきた。  酒場を少し離れた所で、エリアル・キャボットは冷めた目をした。 「馬鹿な奴ら。でも、ああいう連中がいると仕事しやすくて助かるね」     
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