11 その他、視点

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 一度は実家に戻されたエリアルだが、情報を集めてから、すぐに家を出た。  ――運命の相手のことが気になってつらい。せめて近況だけでも教えてくれ。  そう泣きつけば、美しいエリアルに甘い家族はそれとなく探ってくれたのだ。  魔法使いが誰かを探していれば、どうしても目立つ。その誰かがニコルだと分かって、ピンと来た。  結局、ユリアとの間に亀裂が走り、ニコルは耐えかねて家を出たのだろう。ブラッドリーはニコルに執着を見せていたから、それで行方を捜していたのだ。  今度は、ニコルに迷惑をかけたお詫びをしたいと言い含めて、騎士を連れて実家を出てきた。ニコルがフェザーストン家の屋敷にいないようなのは、魔法使い達の動向ですぐに分かったので、エリアルはまた演技をした。  ――フェザーストン家には顔向けできないが、ニコルには謝りたい。ひっそりと会う手助けをしてくれないか。  騎士達には寛大な主人として振る舞っているエリアルを疑う者はいなかった。エリアルは町で大人しくしていると約束をして、彼らを捜しに行かせた。 「ニコル、お前は、僕を運命の人と引き裂く障害なんだ。お前さえいなくなれば、きっとあの方は僕を見てくださる。悪い魔女には退場してもらわないとね」  それが古今東西、物語の定めなのだ。     
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