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男だというのに、ひょろひょろとしていて病的だ。鏡を見るだけでうんざりする。鉄錆みたいな赤茶色の髪も嫌いだが、自分の体質のほうが嫌でしかたがない。気に入っているのは青い目だけだ。
こんなニコルでも、第二の性別がオメガなので、家族は大事に扱ってくれる。
そう、この世には男と女という第一の性別のほかに、アルファ、ベータ、オメガという第二の性別があるのだ。
アルファは生まれながらの王者の素質を持ち、ベータは多くをしめる一般人だが、努力次第ではアルファにも肩を並べる者もいる。そしてオメガは体が小さくか弱い者が多いのだが、男でも妊娠することができる。男性器があっても生殖には意味をなさないので、女と結婚することはほとんどない。
だが、オメガには利点があった。
アルファは魔力を多く持って生まれるせいで、時折、魔力不安定症をわずらう者がいる。器よりも魔力が多いため、許容量をこえた魔力が圧迫して、肉体的な苦痛をもたらすのだ。しかも魔力回復速度も速い者が多く、使って減らしても、またすぐに圧迫感に襲われる。
そこで、オメガだ。アルファと魔力の相性がいいオメガならば、体液を通じて触れあうことで、アルファの過剰な魔力をオメガが引き受けることができる。その上、魔力安定に効果をもたらすのだ。
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