4 ブラッドリー視点

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 レインが悪態をつきながらニコルに触れようとするので、ブラッドリーは思わずその手を掴んで止めた。 「触るな」 「では、あなたが後始末をしてください。俺は風呂の用意をしますから。お水を飲ませてあげてくれませんか、どうせ休憩を入れてないんでしょ」  仕方ないなあと呆れた様子をにじませ、レインは皮肉っぽく言う。  図星なので何も言えない間に、レインは風呂に湯を張って、メイドを呼びに行く。すぐにメイドが新しいガウンやシーツを運んでくる間、ブラッドリーはニコルの上半身を抱き上げて、コップについだ水を少しずつ飲ませた。  気を失っているものの、コクコクと喉が動く様子が可愛らしい。 (男など抱けるかと思っていたが、オメガの男は別のようだな。しかし心配になるくらいに細いな……。魔力を放出する体質のせいで、魔力が足りなくなると眠ってしまうのだったか)  ただでさえか弱いオメガなのに、筋力が落ちているのだろう。日にも当たらないのか青白く、病的な雰囲気だ。  お試しの前に、ベッドでミルクリゾットを食べていたニコルを思い浮かべる。  どこか遠くを見ているようにぼんやりした様子だったが、受け答えはしっかりしていて、賢さが垣間見えていた。 (あまりオメガに良い印象はなかったんだがな……)     
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