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ブラッドリーはこの触れあいでニコルを番にすると決めていたが、貴族は家同士のつながりを重視する。きちんと書類をかわさないと、口で言ったところで、まだフェザーストン家側に断る余地があった。
「分かった。後始末だけだ、それ以上はしない」
「お願いします」
口では丁寧に言っているが、レインの目は信用ならないと言っていて、また腹が立つ。体を張って主を守ろうとする良い従者だが、ブラッドリーにはニコルと引き離そうとする障害に見える。
それから後始末をして綺麗にタオルで水気をぬぐい、メイドが整え直したベッドにニコルを横たえる。
もう少し傍にいたかったが、あの従者、風呂にいる間にブラッドリーの両親に助けを求めていたらしい。夜中だというのに両親の寝室に呼び出され、お試し相手に手加減をしろと叱られ、ニコルが回復するまで接近禁止を言い渡されたのだった。
――やっぱり気に入らない。
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