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4 ブラッドリー視点
初めての性交は、甘い毒のようだった。
ブラッドリーには、ニコルはどこもかしこも甘く感じた。
これが魔力の相性が良いということなのかと驚いたし、人肌が心地良くて、幾度も抱いた。
「ブラッドリー様、それ以上の無体はおやめください」
冷ややかな声に止められて、我に返ると、ニコルはぐったりして気を失っていた。
いったいどちらのものなのか、汗や精などで、どろどろになっている。汗で湿ったニコルの髪が、ランプに照らされて赤銅に光っていて、とても綺麗だ。
「お試しでここまでなさるなんて。ニコル様、大丈夫ですか?」
ニコルに声をかける男が煩わしい。ブラッドリーは不機嫌に問う。
「お前は誰だ?」
「ニコル様の従者で、レインと申します。ブラッドリー様、お試しの前に注意しましたよね? 乱暴な真似をしたら連れて帰る、と」
レインの声は静かだが、怒りをはらんでいる。
このままでは、せっかく見つけた相性の良い相手をみすみす逃すと気付いて、ブラッドリーは謝った。
「……悪かった」
「お目覚めになったら、ニコル様に謝ってください。まったく、十代の性欲って怖い」
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