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 一週間の予定が十日にずれこみ、旅は想像以上に過酷だった。  魔力とは万物に宿る。果物や野菜、肉などからも摂取できるから、ニコルは食後からしばらくは体調が良いが、それも魔力を放出する体質のせいで、だんだん悪くなっていく。  まるで冬になると冬眠に入るみたいに眠りに落ち、魔力を貯めこむために回復するとはいえ、馬車は揺れる。おちおち眠ってもいられない。しかも酔うので最悪だ。  おかげで、ニコルはしょっちゅう馬車を止めてもらう羽目になり、予定通りにいかずに御者や使用人がイライラして、もう少し我慢するように言いに来る。そのたびに、幼い頃からニコルの世話をしてきた従者のレインがとりなした。 「レインのおかげで、私はなんとか生きてるよ……」 「ええ、俺はよく働きますよ。それにしてもあの連中、ニコル様の体質のことを聞いているでしょうに、もっと気遣いはできないんですかね」     
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