第二話 うぜぇ!

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風呂から上がるとテレビの前にちょこんと座ってた。 「早く♪早く♪」 オレは一人で静かに観たいんだ! DVDをセットし再生ボタンを押した。 映画の予告編が始まる。 映画そのものが古いから予告編も昔のだ。 「ねえーねえー、予告編なんか飛ばして早く観ようよー」 オレは! 予告編も含めて! 一人静かに観たいんだ! 黙ってビールを開けた。 懐かしい物やまだ観てない映画の予告編を観てるとその時代が思い出される。 懐かしさと映画の期待とがマックスに達した時、映画が始まった。 「きゃー始まったー。懐かしいー」 いいから黙って観てくれよ。 「ドキドキするね。心臓止まりそう」 ・・・・ 映画は秀逸だった。 一度観ててももう観たくなる気持ちは分かる。 なぜだろう、少年にとても感情移入してしまう。 「きゃー、おばけ」 そんなに驚くシーンか?てかなぜお前が驚く? ラストシーン 「実はね、この後・・・」 それ以上言ったらぶっ飛ばす。 「大どんでん返しがあるんだよ?」 「言うなー!」 オレは近くにあった塩を思いっきりぶっかけた。 「きゃー!熱い!!」 「うるせぇ!とっとと成仏しろぃ!」 「やーなこったぁ。 また出て来るからねー」 どうせ2、3時間もすればまた現れるんだろう。 そして枕元でオレの顔を覗き込んでたりするんだろう。 全くウザいったらありゃしない。
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