388人が本棚に入れています
本棚に追加
/81ページ
★チェスター
流石に今日は全員疲れ果てたのだろう。温泉に入り、さっさと部屋に入って寝た奴が多い。今一階に残っているのは体力に余裕のあった面々ばかりだ。
「ランバート、キッチンでなにしてるんだ?」
風呂から戻ってみれば、先に全部を済ませていたランバートがキッチンで何かをしている。室内には美味しそうな匂いがしている。
「明日の朝用のスープ。あと、雪山に持って行けるように幾つか」
「美味そう。こっちが、雪山に持ってく……って、これ唐辛子の粉末じゃんか!」
人数分の小袋には真っ赤な唐辛子の粉末が入っている。こんなもの何に使うんだ。
「最悪、雪玉にこれかけて食べるだけで体の中が温まる」
「マジで!」
「唐辛子には血行を良くする作用があるし、体の中が温まる。肌に触れるとそこが温かいと感じる事ができるんだ。ただ、傷でもあれば飛び上がるほど痛い」
「超刺激物じゃん。まぁ、雪山にはいいかもな」
案外使い勝手がいいことを知って、改めてこの赤い粉末をチェスターは見た。
「どうした?」
「え?」
「いや、なんか気にしてるっぽいからさ。リカルドさんと何かあったか?」
最初のコメントを投稿しよう!