雪原の向こうで(チェスター)

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 ランバートは内容を知っていたのだろう。もう反論する余地もなくスコップを手にしている。  かくして全員でのかまくら作りが始まったのだが、雪を掘っては積み上げ、丁寧に固めて更に積み上げを繰り返す単調作業。 「なぁ、ロッジとは反対側けっこうエグいぞ」 「え?」  作業に飽きたレイバンが、平地の端を覗き込んでいる。  呼ばれて行ったチェスターも、その下に広がる景色にちょっとゾクリとした。  ロッジ側は崖だが、わりとなだらかな傾斜がある。ここ五合目からは冬枯れの木々の合間からロッジが見えていたりする。  けれど反対側はもっと自然むき出しな感じだ。垂直よりもやや抉れた感じで、下は真っ白な雪原。足跡一つない。 「あんまり端っこ行くと落ちるよ」  ボリスが声をかけ、同じように覗き込んで「うげ」と一言残して引き下がる。レイバンとチェスターも同じように引き下がり、かまくら作りに再び戻った。  適当に昼食を取り、更に作業を進めれば夕方前に立派なかまくらが二つ出来上がる。中に入ればそれなりに温かいものだ。 「案外快適かも」  嬉しそうなボリスが疲れたと言わんばかりに雪壁に体を預けている。下は帆布を敷いているから、直接の冷たさはない。 「一応外で煮炊きするように。あと、交代制で夜見張りね」 「分かりました」     
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