雪原の向こうで(チェスター)

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雪原の向こうで(チェスター)

 翌日、モヤモヤした気持ちは晴れないまま外は穏やかな様子で明るい。ただ、夜中に降ったのだろう新雪が積もっていた。 「今日は山登ってそこで一晩泊まるからねー」  朝食を食べながらウェインが言うと、あちこちから「えー!」という声が沸き起こってくる。 「この山を登って五合目でビバーク。ただし、天候が荒れるようなら途中で引き返すよ」 「装備は?」 「スコップ持ってく。あと、火打ち石もね」 「やり!」  これがあるだけで違ってくる。昨日みたいな杭と木槌は流石にもう無理だった。  体も温まり、装備を調えた面々がロッジの前に一度整列する。案内役のウェインが先頭。次はランバートやハリーといった雪に慣れた面々が足場を固めつつ進む。ゼロスやコンラッドも続き、真ん中に小柄で体力の心配そうなクリフがいて、ラウルやチェルルもここになった。そして後続をドゥーガルド、レイバン、ボリス、チェスター、リカルドが続いた。  途中で疲れたらこれらがローテーションしていくそうだ。やはり戦闘集団は足元を固めたり周囲を警戒したりと疲れるらしかった。     
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