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見かねた少女は、
「あ、あのっ。旅人さん」
青年を見上げました。
「な、何……」
少女は薬品棚から中身の入った小瓶を手に取り、蓋を開けます。
「これ、どうぞ。お腹の調子が良くなるお薬です」
どうやらお薬を持ってきたようです。
この薬は飲み会を開いた後の村の大人達にもそこそこの需要があります。
「これを、オレにくれるのか?」
「えっと、三粒飲んで下さい」
少女に言われるまま、青年は瓶から錠剤を取り出して、一気に飲み込みました。
……すると。
「……お? おぉお? お、おおっ!」
──キラリーン!
青年の体に変化が訪れました。
先程まで濁流の氾濫の如く青年を苦しめていたお腹が、一瞬にして鎮まってしまったのです。
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