エピソード1 旅人

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「なっ、治った!」 色々な薬草を組み合わせて作ったこの薬は、お父さんから教わったやり方で、少女がアレンジを加えつつ調合したものでした。 良薬口に苦しと言いますが、苦味を抑えてすんなり飲み込める様に一手間加えてあるのです。 「本当にこれ、お嬢ちゃんが作ったのか?」 「え? は、はい」 「凄いじゃないか! こんなに効く薬は初めてだぜ! ひょっとしたら、将来は有名な薬師になれるかもしれないな! ありがとう!」 青年は少女と会ってから、ここに来て初めて笑顔を見せました。 よく見ると中々端正なマスクで、今までのギャップもあってか、年頃の少女にはどきりとするものがあります。 「あ、ありがとうございます……」 少女は思いました。 この人、そんなに怖い人じゃないのかな? と。 しかし少女は薬師である前に店番を任された商人です。 薬の代金は支払って貰わなければなりません。 「じゃあ、1200バグになります」 「えっ、金取るのか?」
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