エピソード1 旅人

9/61
前へ
/1248ページ
次へ
青年は大きな声を出して驚きました。 「ひっ! ご、ごめんなさい……」 その大きな声によって、少女は萎縮してしまいます。 「あ、ごめん。そうだよな。道具屋の看板出てたから、ここは道具屋って事だし、薬も試食って訳じゃないよな。ちゃんと払うよ」 「は、はい」 青年は素直に、懐から財布を取り出して、金貨一枚と銀貨二枚を掌に乗せ、少女に手渡しました。 「はいよ」 「ち、丁度ですね。ありがとうございます」 先程は少し驚かせてしまいましたが、青年に悪気は無かった様です。 誤解も解けた後は、少女の好奇心がどんどん膨らんでいきました。 「た、旅人さん。旅人さんは、どこから来たんですか?」 少女は思い切って聞いてみます。
/1248ページ

最初のコメントを投稿しよう!

70人が本棚に入れています
本棚に追加