70人が本棚に入れています
本棚に追加
/1248ページ
「あんた、悪いが今すぐ出て行ってくれないか」
「え!?」
そしてお父さんは、青年に向けて冷徹な言葉を発しました。
カナは何故お父さんが冷たい態度をとったのか、訳が分かりません。
「ウチからも、この村からもだ! 出て行け! 今すぐに!」
お父さんは青年に向かって叫びました。
突然の激昂に、更にカナは驚きます。
「……分かったよ。カナ、薬ありがとな」
青年は踵を返して扉に手をかけました。
「あのっ、旅人さ……」
──ばたん。
カナの制止も聞かず、青年はそのまま出て行ってしまいます。
「お、お父さん、どうして……」
怯える表情で、カナはお父さんに尋ねました。
「どうして? 決まってるさ。あいつが賞金稼ぎだからだ!」
最初のコメントを投稿しよう!