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賞金稼ぎ。
犯罪者に懸けられている賞金を狙う者達の事。
戦う事しか頭に無く、金の為なら命すら投げ出す無頼漢。
ですが、
「賞金稼ぎって、そんなに悪い人達なの?」
カナは未だに分かりませんでした。
先程まで気さくに話していた青年が、そんなにも危険な人物だとは思えなかったのです。
「カナ、母さんの死因、覚えているか」
「え? 確か、病気って……」
カナのお母さんは彼女がまだ赤ん坊の頃に、既に亡くなっていました。
「ああ。昔のお前にはそうやって教えたよ。でも本当は違うんだ。お前の母さんはな、犯罪者と賞金稼ぎの戦闘に巻き込まれて殺されたんだ!」
しかし、幼少の頃に聞かされた死因は作り話で、カナのお母さんは、実はもっと残酷な事情でこの世を去っていたのです。
吐き捨てる様に言ったその台詞に、カナは恐怖を覚えました。
「賞金稼ぎ連中が、無計画に藪を突く様な真似をして、母さんが人質に取られて、それで……それで……っ!」
普段は温厚なお父さんが、憎悪に満ちた表情で自分を見下ろしてくるのです。
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