エピソード1 旅人

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「暴力で物事を解決しようとする奴等だぞ。犯罪者も賞金稼ぎも頭のつくりは一緒なんだ! この平和な村にまで争いを持ち込まれるのは我慢ならん。奴等がいるから、不幸が生まれるんだ!」 「ぁ……」 お父さんのあまりの剣幕に、カナは涙目になってしまいました。 「……あぁ、すまない」 しかし我に帰ったのか、お父さんがカナに謝ります。 「つい頭に血がのぼってしまった。とにかく、さっきの奴の事は忘れるんだ。いいな」 当事者であるお父さんは、とても辛い思いをしたのでしょう。 その時にお母さんを守れなかった虚無感が、お父さんを苛立たせてしまったのです。 「う、うん」 カナはこれ以上、今回の件について何も言えませんでした。 「それじゃあカナ。さっき父さんが摘んできた薬草の調合を頼む。店番は父さんが代わるから」
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