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「暴力で物事を解決しようとする奴等だぞ。犯罪者も賞金稼ぎも頭のつくりは一緒なんだ! この平和な村にまで争いを持ち込まれるのは我慢ならん。奴等がいるから、不幸が生まれるんだ!」
「ぁ……」
お父さんのあまりの剣幕に、カナは涙目になってしまいました。
「……あぁ、すまない」
しかし我に帰ったのか、お父さんがカナに謝ります。
「つい頭に血がのぼってしまった。とにかく、さっきの奴の事は忘れるんだ。いいな」
当事者であるお父さんは、とても辛い思いをしたのでしょう。
その時にお母さんを守れなかった虚無感が、お父さんを苛立たせてしまったのです。
「う、うん」
カナはこれ以上、今回の件について何も言えませんでした。
「それじゃあカナ。さっき父さんが摘んできた薬草の調合を頼む。店番は父さんが代わるから」
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