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「リリア様……!」
リリア様の部屋は、二階へ上がって一番奥にある。
僕はがむしゃらに走った。
しかし、既に奴等は、そこまで来ていたのだ。
部屋へと戻った僕の目には、絶望的な情景が広がっていた。
「り、リト君……!」
リリア様はリラ様を抱きしめ、二人の男女と対峙していた。
片方は大きな鎌を持った男。もう一人は、毳毳しい女。
「リリア様っ!」
「あァ? まだ生き残りがいたのかァ」
男の挙動は鈍く、僕はすんなりリリア様の元へと駆けつける事が出来た。
しかし、逃げる事は出来なかった。
──バリィン! ガシャン!
バルコニーから窓を割って、更に男が一人入って来た。
その男は先程、一階で僕と対峙した男だった。
「おォおォ、ご苦労さん」
「カリアァ! 遅かったなァ」
「ちょっとカリア、あんまり壊さないでよ。コイツ等殺した後、別荘にするつもりなんだから」
「おいおい雇い主から言われてたろ? 『この屋敷は破壊しろ』ってよ」
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