エピソード1 旅人

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「トイレを……、貸してくれ……ッ!」 ──ゴゴゴゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ! 謎が解けました。 先程から鳴り続ける妙に迫力のある謎の音は、青年のお腹から発せられていたのです。 理解すると同時に、少女は椅子ごとずっこけました。 「た、頼む! さっきあまりに腹が減ったんでその辺の草を食べてみたんだが、どうやらそれに当たっちまったみたい……」 ──ゴロゴロゴロゴロゴロピーーーッ! 「だふぉっ!? お、おほほぉぉぉ……」 青年が言い終わらない内に、音が別の物に変わります。 いよいよ、終わりの時が近付いて来ているのでしょう。 「は、早く……! トイレを、貸してくれ! もう限界なんだぁ!」 同時に彼の表情が地獄の形相へと変わります。 「と、トイレ!? えと、ええっと、こっちですっ!」
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