エピソード1 旅人

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少女は慌てて青年をトイレに案内しました。 連れて行きながら、少女は改めて首を傾げます。 (な、何なんだろう、この人……) ※ 「あ゛ー、とりあえず漏らすのは阻止出来た、ありがとな……」 「は、はい……どうも……」 トイレから出てきた青年は少女にお礼を言いました。 彼にとっては、少女の存在は正に救世主。 しかし相変わらず調子が悪いらしく、青年はお腹を抑えています。 「……ん? どうした? オレの顔に何か付いてるか……?」 「ええっと……」 『旅人』という、少女にとっては物珍しい客でもあったので、ついじろじろと彼を見てしまいました。 その旅人が開口一番「トイレを貸して欲しい」なんて言うとは思いませんでしたが。
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