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ソフィア「ち、ちょっと! 恥ずかしいよ」
ソフィアは飛び退くように、鉄格子から頭を離す。
それを見たカタリナは笑う。
カタリナ「いいじゃん別に」
2人は笑う。
〇リオの家(夜)
室内は暗い。中には誰もいない。
扉をゆっくり開けて、中に入るソフィア。
ソフィア「ただいま」
小声で言う。
ソフィアは音を立てずに扉を閉める。
リオ「おい」
リオの声を聞いたソフィアは肩を震わせる。
ソフィアが振り向くと、階段のところにリオが立っている。リオの表情は怒っている。
リオ「どこに行ってたんだ? こんな夜遅くに」
視線を泳がせるソフィア。
ソフィア「あぁえっとね。ちょっと散歩に」
リオ「サンドイッチを持ってか?」
ソフィア「それは、ちょっとお腹がすいちゃって」
リオ「正直に言ってくれ。カタリナのところに行ってたんだろ?」
ソフィア、少し黙る。
ソフィア「どうして分かったの?」
リオ「そりゃあ分かるさ。お前、あの鍵持って行っただろ。俺も保安官なんだから詰所の鍵を持ってて当然だからな」
俯くソフィア。
ソフィア「ご、ごめんなさい」
リオ「お前なぁ、あいつが危ないって分かってるだろ。金を持ってるんだぞ」
ソフィア「そ、そうかもしれないけど。何もしてこなかったよ?」
リオ「言っただろ。持ってるだけも危険だって。こんな時に、金を持ち歩くなんてロクな奴じゃない」
ソフィア、服の裾を強く握りしめる。
ソフィア「リオのさ! そういうところ何なの!?」
ソフィア、口調が荒くなる。
リオは驚いて黙り込む。
ソフィア「いっつもそうやって勝手に決めつけて。カタリナは命の恩人なんだよ。これぐらいしたっていいじゃん」
リオ「お、おい」
ソフィア「リオが言うロクでもない人ってなんなの? 何も知らないくせに!」
涙を浮かべるソフィア。
リオ「分かった。分かったから落ち着こう」
リオは両手でなだめる。
ソフィアは手で涙を拭ってる。
リオ「だけどなソフィア。これだけは言わせてくれ。俺はソフィアを、もうあんな目に合わせたくないんだ」
ソフィアは何かを思い出したかのように、怯えた表情になる。
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