第1話

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ソフィア「ち、ちょっと! 恥ずかしいよ」    ソフィアは飛び退くように、鉄格子から頭を離す。    それを見たカタリナは笑う。 カタリナ「いいじゃん別に」    2人は笑う。 〇リオの家(夜)    室内は暗い。中には誰もいない。    扉をゆっくり開けて、中に入るソフィア。 ソフィア「ただいま」    小声で言う。    ソフィアは音を立てずに扉を閉める。 リオ「おい」    リオの声を聞いたソフィアは肩を震わせる。    ソフィアが振り向くと、階段のところにリオが立っている。リオの表情は怒っている。 リオ「どこに行ってたんだ? こんな夜遅くに」    視線を泳がせるソフィア。 ソフィア「あぁえっとね。ちょっと散歩に」 リオ「サンドイッチを持ってか?」 ソフィア「それは、ちょっとお腹がすいちゃって」 リオ「正直に言ってくれ。カタリナのところに行ってたんだろ?」    ソフィア、少し黙る。 ソフィア「どうして分かったの?」 リオ「そりゃあ分かるさ。お前、あの鍵持って行っただろ。俺も保安官なんだから詰所の鍵を持ってて当然だからな」    俯くソフィア。 ソフィア「ご、ごめんなさい」 リオ「お前なぁ、あいつが危ないって分かってるだろ。金を持ってるんだぞ」 ソフィア「そ、そうかもしれないけど。何もしてこなかったよ?」 リオ「言っただろ。持ってるだけも危険だって。こんな時に、金を持ち歩くなんてロクな奴じゃない」    ソフィア、服の裾を強く握りしめる。 ソフィア「リオのさ! そういうところ何なの!?」    ソフィア、口調が荒くなる。    リオは驚いて黙り込む。 ソフィア「いっつもそうやって勝手に決めつけて。カタリナは命の恩人なんだよ。これぐらいしたっていいじゃん」 リオ「お、おい」 ソフィア「リオが言うロクでもない人ってなんなの? 何も知らないくせに!」    涙を浮かべるソフィア。 リオ「分かった。分かったから落ち着こう」    リオは両手でなだめる。    ソフィアは手で涙を拭ってる。 リオ「だけどなソフィア。これだけは言わせてくれ。俺はソフィアを、もうあんな目に合わせたくないんだ」    ソフィアは何かを思い出したかのように、怯えた表情になる。
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