第1話

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カタリナ「ソフィア!」    カタリナはポケットの中から、金の銃弾を取り出し、親指で飛ばす。    金の銃弾は宙を舞い、SAAのシリンダーに入る。    シリンダーを収めると、カタリナはすぐさま発砲する。    金の銃弾が真っ直ぐ飛んでいき、ブレイカーの眼球に命中する。    ブレイカーはソフィアを離す。ソフィアは力なく倒れる。 ふらふらとよろめくブレイカー。    苦しそうに首を押さえた後、後ろ向きに倒れて動かなくなる。 ソフィア「あぁ…痛い……」    倒れたまま首に手を当てるソフィア。血だらけ。 リオ「嘘だろ……ソフィア、お前……まで……」    リオ、ウィンチェスターを杖かわりにして片膝立ちする。    ソフィアはふらふらと立ち上がる。 ソフィア「嫌だ、グールになんて、なりたくないよ……」    ソフィアはナイフを両手に持って、自分の首に突き付ける。    涙を流す。 カタリナ「ソフィア、大丈夫だよ」    両手でなだめる仕草をし、ゆっくりとソフィアに近づくカタリナ。 ソフィア「大丈夫じゃない! もう死ぬしかない……」 カタリナ「1、2、3、4、5」 ソフィア「嫌だ……死ぬのも、嫌だ……」 カタリナ「6、7、8、9、10」    カタリナは、ソフィアの両手を優しく握りしめる。 カタリナ「ソフィア、私を見て!」     何も言わずに見つめるソフィア。ソフィアの目の色は正常な青色。肌の色も正常。    カタリナ、ソフィアの顔を優しく掴む。 カタリナ「君は感染していない!」    ソフィアの腕を掴んでソフィア自身に見せつける。 カタリナ「ほら! 肌は肌色! 赤い目をしてない! 綺麗な目をしている!」    ソフィアは、大粒の涙を流す。そのまま泣き崩れてカタリナに抱きつく。ナイフは地面に落ちる。    抱き返すカタリナ。    口をあんぐりと開けているリオ。 カタリナ「よしよし。怖かったね。私がついているからもう大丈夫」 〇ED
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