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第2話
〇OP
〇町中(昼)
保安官詰所が半壊している。
出入口の扉は完全に外れており、地面に横たわっている。
その前にソフィアとカタリナが座っている。
ソフィアの首にスカーフを巻いているカタリナ。
ソフィアの目元には涙痕がついている。
カタリナ「応急処置だけど、ひとまず安心していい。傷を隠すためにもスカーフは少しきつめ
に巻いておくよ」
ソフィアは黙って頷く。
カタリナはソフィアの背中に手を当てる。
カタリナ「痛むか?」
ソフィアは何も言わずに首を横に振る。
カタリナ「ちょっといい?」
カタリナはソフィアの目の前に座り込む。
ソフィアの頬に両手をあて、目を診る。
その後、親指でまぶたを下げる。
赤い裏まぶたが露わになる。
カタリナ「瞳孔も結膜も異常なし……」
頬から手を放し、首に両手を当てる。
カタリナ「体温も問題なし。脈はちょっと速いかな……」
腕を組んでいるリオ。カタリナの行動をじっと見ている。
リオ「ずいぶん手馴れてるな」
カタリナ「医療係の仕事をしたことがあってね」
カタリナはリオを見ずに言う。
リオは鼻で笑う。
リオ「よく言うよ」
リオ、カタリナの近くに歩み寄る。
リオ「なぁ、そろそろ何者か教えてくれないか」
3人は少し黙る。
リオ「医者じゃないのは分かってる。かといって俺と同じ保安官でもないだろ?」
リオはカタリナのホルスターにしまっているSAAに指をさす。
リオ「それにその銃はなんだ? SAAなんだろうけど、シリンダーが外に出るし、トリガーを引くだけで撃てる。そんな銃は見た事ないぞ」
カタリナは立ち上がる。
カタリナ「よく見てるね。お兄さんは」
リオ「職業柄敏感でね」
カタリナ「だがすまない。今は言えないん―――」
リオ「だったら今ここで喋ってもらう」
リオはカタリナの前に立ち、アルバートが持っていたSAAを向ける。
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