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カタリナは表情を変えずにじっとする。
ソフィア「リ、リオ!」
ソフィアは驚いて立ち上がる。
リオ「あんたはこの銃を見ても何も感じないと思う。だが聞いてくれ」
リオは目に涙を浮かべ、少し黙る。
リオ「この銃はアルバートさんのものだ」
カタリナの片方の眉毛が少し動く。
ソフィアは両手で口を覆う。
ソフィア「うそ……?」
リオ「名前を言っても分からないかもな。あんたが列車から降りた時に、金探知犬を連れていた保安官だよ」
ソフィア「死んじゃったの……?」
リオ「グールに噛まれてな。だけど、正気を失う前に自分の愛銃で頭を撃ったんだ。自分でだ! 『お前らの手を煩わせたりしない』ってな」
カタリナ、切ない表情を浮かべる。
カタリナ「それは……、気の毒にな……」
リオ「それだけじゃない。アルバートさんは『誰かが裏で糸を引いているかも』って言った」
カタリナ「何だって……?」
カタリナは驚く。
リオ「アルバートさんは黒幕の存在に気づいたんだろうな。的外れな勘かもしれん。だが俺はそれを信じる」
3人は少し黙る。
リオ「要するに、俺はお前を疑ってるんだよ。金を持っていたからな。それだけでも十分な理由になるだろ。もしお前が当事者だっていうなら……俺が報復してやる」
リオはSAAのハンマーを親指で倒す。
カタリナ「そうか……。だがあいにく、私もお兄さんと同じ状態でね。今回の事件については私も驚いている」
カタリナはリオの目を真っ直ぐ見つめる。
カタリナ「私はグールをけしかけたりしない。黒幕についても正直分からない。だが、私が突きとめるつもりだ」
ソフィアが2人の元に近づく。
ソフィア「カタリナは嘘をついてないよ。もし関わっているなら、グールを倒したりしないもの」
3人は再び黙る。
やがて、リオがSAAを下ろす。
リオ「それもそうだな。正体についてはまた追々問い詰める」
カタリナ「ありがとう」
カタリナ、表情が緩む。
ソフィアはホッとする。
カタリナ「だけどびっくりしたよ。急に銃を向けるのは」
カタリナ、ホルスターから素早くSAAを抜いてリオに向ける。
リオは驚く。
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