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第1話
〇荒野(昼)
荒野。空は晴天。茶色の土に、点々と草が生えている。そこに列車のレールが引かれている。
レールの上を、列車が煙を挙げながら走っていく。
〇列車の中(昼)
列車の中は、前後向かい合った席が並べられている。席に座っている人はまばら。
ソフィア・エンフィールド(16)は窓側に座っている。窓に寄り掛かっており、外をボンヤリと見つめている。ソフィアの周りには誰も座ってなく、隣に大きめの鞄がおいてある。
ソフィアの元に、1人の駅員が近づく。鞄を肩から下げている。
駅員「切符をお願いします」
ソフィア「あ、はい」
ソフィアは、少し慌てた様子で、ポケットから切符を取り出す。それを両手で、駅員に渡す。
駅員は切符を受け取り、改札鋏で切符の淵を切る。
駅員「ありがとうございます」
駅員は切符をソフィアに返す。
駅員「ご旅行ですか?」
ソフィア「いえ、親戚のところに」
ソフィアは切符を受け取る。
駅員「この先は良いところです。きっと気に入るでしょう」
ソフィア「ありがとうございます」
ソフィア、表情が柔らかくなる 。駅員「では、ごゆっくりどうぞ」
駅員、去っていく。
1人の男が駅員に駆け寄ってしがみ付く。
駅員「ど、どうされました?」
男の顔色は青白く、目が充血している。
男「す、すいません。み、水ありますか?」
ソフィア、2人のやり取りを見ている。
男は下を俯きながら震えている。
駅員「水ですか? ただいまお持ちしますね」
駅員、少し駆け足で車両の奥へ行く。
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