3人が本棚に入れています
本棚に追加
〇駅(昼)
画面左下にサブタイトル。
『始まり』
列車が止まっている。
周りには乗客や保安官が複数人いる。乗客らのほとんどは不安そうな表情を浮かべており、保安官らはせわしく動き回っている。
列車の出口からカタリナとソフィアが出て来る。
カタリナはソフィアの方を向く。
カタリナ「落ち着いた?」
服の裾を握りしめるソフィア。手は震えている。
表情は笑顔だが、少し不自然。
ソフィア「うん、大丈夫」
カタリナ、ソフィアに歩み寄って、手を掴む。
カタリナ「嘘。こんなに震えてる」
カタリナはソフィアの目を見ようとするが、ソフィアは目を反らす。
カタリナ「ねぇ、この後暇?」
ソフィア「あぁ、えっと、知り合いに会いに行くから。あんまり時間ないかも……」
肩を落とすカタリナ。ソフィアの手を離す。
カタリナ「そっか、そりゃ残念。ソフィアとお茶したかったんだけどな」
ソフィア「えっ?」
ソフィアはきょとんとした顔になる。
ソフィア「なんで、私の名前を……」
リオ「おーい!」
遠くからリオ・エンフィールド(18)の声が聞こえてくる。
カタリナとソフィアは、その方向を見る。
リオが駅の出入り口から走って近づいてくる。背中にはウィンチェスターライフルM1873が背負われている。
ソフィア「リオ!」
ソフィアはカタリナの元から離れ、リオに駆け寄る。
リオ、ソフィアの両肩を強く掴む。
リオ「おいソフィア! 大丈夫なのか? 怪我は? 噛まれたりしてないよな?」
冷や汗をかくリオ。ソフィアの体を左右に回しながら怪我をしてないか確認する。
ソフィア「ちょ、ちょっと! 大袈裟だってば。私は大丈夫だから」
リオ「よかった~。お前に何かあったらと考えると生きた心地がしないわ」
リオ、脱力するようにソフィアから手を離す。安堵の表情を浮かべる。
ソフィア「あの人が助けてくれたの」
ソフィアはカタリナを手で示す。
リオはカタリナの方を向く。
リオ「ソフィアを助けてくれてありがとうございます。お名前は?」
カタリナ「カタリナ。カタリナ・カミンスキーです」
リオ「カタリナさんか。この町の人ですか?」
カタリナ「いえ、ちょっと仕事で」
リオの目つきが鋭くなる。
リオ「へぇ、仕事ですか……」
最初のコメントを投稿しよう!