第1話

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カタリナ「あぁ。なるほど。あのワンちゃん、そこまで匂いが分かるんだ。すごいね」    平静になるカタリナ。両手は上げたまま。 アルバート「金所持者だ! 捕らえるんだ!」    アルバートの声によって、2人の保安官がカタリナに近づき、銃を突きつける。 保安官1「動くな!」 カタリナ「動いてないじゃん」 保安官2「銃をよこせ!」 カタリナ「はいはい。動いていいなら渡すよ」    カタリナ、渋々ホルスターを外す。銃が入ったホルスターごと、保安官2に渡す。    保安官2はカタリナに銃を向けたまま、ホルスターを受け取る。 保安官2「歩け」 カタリナ「どこにいくの?」 保安官2「いいから歩け!」    保安官2は、カタリナの脚を蹴る。 カタリナ「いったいなぁ! 分かったからそんなに慌てないでよ」    カタリナは両手を挙げたまま歩いて行く。2人の保安官も銃を向けたまま歩く。 ソフィア「待って! カタリナ!」    ソフィアは、カタリナに近づこうとするが、リオがソフィアの腕を掴んで止める。 リオ「おいよせ! 何考えてるんだ!」 ソフィア「カタリナが金を持ってるわけないよ! 何かの間違いだって!」    ソフィアは腕を動かしてリオの手を振り払おうとするが、リオの手は離れない。 リオ「ロンがあんなに激しく吼えたんだ。間違いはない!」 ソフィア「でも!」 カタリナ「ソフィア!」    ソフィア、大人しくなる。 カタリナ「私は大丈夫だから。また会おうね!」    カタリナはソフィアに手を振る。 保安官1「黙って歩け!」    カタリナと保安官2人は歩いて行く。    ソフィア、寂しそうな顔をする。 リオ「ソフィア、金を持っているってことは、グールになる可能性が高いってことだ。これ以上何か被害が出る前にこうして捕まえておくんだ。わかった?」    リオは手を離して、ソフィアの肩に手を乗せる。 ソフィア「うん……」
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