第1章

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「………何なんだよ………………コイツどうなんだ」 「お行儀がお悪いございますよ」 森久保武が嗜めるが搭麻は苛つきを森久保にぶつける。 「五月蝿いーっ父様は何を考えてるんだーっあんなのが桜の代わりになるとでも思ってんのか」 「………あの方に罪はないのですよ、移植する方も移植される方も、身内を優先と記入されていない方は優先順位ですし………そもそも移植した先は本来なら教えて頂く事はないでしょう………桜様の臓器は色んな方に移植されていますし」 ドンッと机を叩く。 「ーっ」 「桜様の角膜は40代の方に肺や皮膚は30代の方に…神経は幼児に…骨髄は20代の方に…移植されました………春人様は肝臓腎臓心臓の三つの臓器を優先的に移植されました………春人様の症状は大学病院の名を上げる機会でしたから、大学病院が半分近くのお金を負担し残りを寄付とご両親が負担しました………春人様を何がなんでも助けたかったのでしょう………病院は実験…コホンッ治験に春人様はうってつけでしたから」
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